オフィスでも、マンションでも、学校でも。
赤くて目立つけれど、普段はあまり気にしない——それが消火器です。
でも、もし目の前で火が出たら?そのとき、自信を持って「使える!」と言える人、意外と少ないんです。
「レバーを引くだけでしょ?」「見たことはあるけど、触ったことはない、、、」そんな声もよく聞かれます。しかし、火災が発生したその瞬間に、なんの迷いもなく使えるかどうかは、命を守る上で非常に大きな差となります。
このコラムでは、消火器の基本的な仕組みや使い方、使用時の注意点を初めての方でも分かりやすく解説します。
そもそも消火器とはどんなもの?
一般的によく設置されているのは「ABC粉末消火器」
これは以下の3種類の火災全てに対応しています。
・A火災(普通火災):紙や木材、布などが燃える火災
・B火災(油火災):ガソリンや灯油、油類が燃える火災
・C火災(電気火災):電気設備や配線からの出火
粉末薬剤を噴射して酸素の供給を遮断し、燃焼を抑えます。電気が関係していても使用できるのが特徴です。
使用期限に注意!
消火器にも使用期限があります。多くは製造年から10年程度が目安。期限切れの消火器は、破損や薬剤漏れの危険があるため、定期的な点検と交換が必要です。
消火活動の前に確認すべき2つのこと
消火器を手に取る前に、絶対に確認しておくべきことが2つあります。
- 周囲への呼びかけ
火を見つけたら、まず大声で周囲に知らせてください。「火事だ!」と叫ぶことで、周囲の人の避難を促し、協力も得やすくなります。
2.自分の退路(逃げ道)の確保
消火活動を行う前に、必ず自分の逃げ道を確認しておきましょう。消火が難しいと判断した場合には、すぐに避難することが最優先です。
消火器の使い方は「ピ・ノ・キ・オ」で覚える
消火器の使用方法は、実はとてもシンプル
「ピノキオ」の語呂合わせで覚えましょう!
・ピ…ピンを抜く
安全ピンを引き抜いて準備します。
・ノ…ノズルを向ける
火の根本にしっかりとノズルを向けましょう。
・キ…距離をとる(3~5mが目安)
近づきすぎず、少し離れて構えます。
・オ…押す(レバーを握る)
レバーを強く握ると粉末薬剤が噴射されます。
この4ステップだけ!非常時でもすぐに思い出せるよう、覚えておきましょう。
実際に使用するときのポイント4つ
正しい使い方を覚えたら、次は実践時の注意点です。
1.適切な距離(3~5m)を保つ
火に近づきすぎると危険です。消火器の噴射距離は限られているため、3~5m程度の距離で使用しましょう。
2.火の「根元」を狙う
火の上部ではなく、燃えている物の根元をめがけて、ほうきで掃くように薬剤を撒くのが効果的です。
3.消火時間はわずか「15~20秒」
一般的な消火器は、中身がなくなるまでの時間がわずか「15秒~20秒」ほど。火が天井に達しているような大火災では、消火器では対応できません。その場合はすぐに避難しましょう。
4.消火薬剤が目に入ってしまったら
人体に大きな影響はありませんが、異物感があればすぐに水で洗い流すようにしてください。
「使える人」になるために今できること
消火器は、見るだけではなく「触って」「使って」初めて身につくものです。
会社や学校、マンションの管理組合などで行われている防災訓練に参加して、消火器の模擬操作を体験しておくと良いでしょう。
また、ご家庭で備えている場合も、家族みんなで使い方を確認しておくことが大切です。
最後に|「備え」が「安心」につながる
消火器は、私たちの身近にある最初の「防火アイテム」。
火災が発生したそのときに、すぐ行動できるかどうかで、被害の大きさは大きく変わります。
日頃から意識しておくだけで、いざという時に「使える人」になれます。
私たちは、消防設備のプロとして、点検・設置・訓練のサポートを通じて、皆さまの安全を守るお手伝いをしています。
もし「うちの消火器、いつのものだろう?」「正しく設置されているか不安…」など、少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
小さな備えが、大きな安心につながります。
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