オフィスやマンション、店舗、そして自宅の玄関など、身近な場所に設置されている消火器。
しかし、その消火器が「いつ設置されたものか」「いつまで使えるのか」を把握している方は、あまり多くありません。
見た目に異常がないからといって安心していると、いざという時に使えない・破裂するといった重大なリスクにつながります。
この記事では、消火器の交換周期や確認方法、交換を怠るリスク、正しい処分方法までをわかりやすく解説します。
なぜ消火器に交換周期があるのか?
「使っていないのに交換が必要?」と思われがちですが、消火器は中に薬剤と圧力ガスが入っている高圧容器です。
長年放置されることで、
- 薬剤が固まって噴射できなくなる
- 圧力が下がり、使用時に何も出ない
- レバーやノズルが固まって動かない
- 本体が腐食し、破裂の危険がある
といった状態になる恐れがあります。
これらは見た目では分からない劣化であることが多いため、交換周期を守ることが非常に重要なのです。
消火器の交換周期は「製造からおおむね5年」
一般的に多く使われている「粉末タイプ(ABC)」の消火器は、製造から5年程度が交換の目安です。
ただし、設置場所の環境(屋外、湿気の多い場所、直射日光が当たる場所など)によっては、これより早く劣化が進むこともあります。
また、スプレー式の簡易消火具は約3年、CO₂(二酸化炭素)消火器は約10年など、種類によっても交換周期が異なります。
「うちはどのタイプだろう?」と分からない場合は、本体ラベルに記載されている型式・仕様を確認するか、専門業者に相談するのが確実です。
交換時期は「製造年月」で判断する
消火器の交換時期を確認するには、本体に貼られているラベルの「製造年月」をチェックしてください。
「2020年3月製造」と書かれていれば、2025年3月が交換の目安です。
中には「有効期限」や「使用期限」と明記されているものもあります。
注意点として、ラベルが剥がれていたり、製造年が読めないほど古いものは、すぐに交換を検討すべき状態です。
期限切れ消火器を放置すると危険!
期限を過ぎた消火器をそのまま放置していると、以下のようなリスクが生じます。
使用不能になる
圧力が抜けてしまっていたり、中の薬剤が固まっていたりすると、レバーを握っても何も出ないという事態になります。
火災が起きてからでは遅いため、使えるかどうかを事前に確認することが大切です。
破裂の危険性がある
特に、古い鋼製消火器は本体の腐食による破裂事故が発生する可能性があります。
全国的にも、点検時や運搬時の事故が報告されています。
法令違反や是正指導の対象に
マンションの共用部やオフィス、飲食店などの事業所では、消防法に基づく年2回の点検(機器点検・総合点検)が義務付けられています。
その際に、交換周期を過ぎた消火器があると是正勧告の対象となることもあります。
使用済み・古い消火器の処分方法
消火器は中に圧力をかけた薬剤が入っているため、家庭ごみや粗大ごみとして処分することはできません。
正しい処分方法としては以下の3つがあります。
① 消火器販売店や消防設備業者に依頼
一番確実なのは、消火器を取り扱う業者に交換とあわせて処分も依頼することです。
1本あたりの処分費用は、だいたい1,000~3,000円程度が相場です。
② リサイクル窓口を利用
「消火器リサイクル推進センター」のウェブサイトで、近くの回収窓口を検索することができます。
指定された窓口に持ち込めば、引き取りや処分をしてもらえます。
③ 自治体に問い合わせる
一部の地域では、年に数回「消火器の回収日」などを設けていることがあります。
お住まいの自治体のウェブサイトで確認してみてください。
よくある質問(Q&A)
Q:使っていないなら交換しなくても大丈夫?
→ 未使用でも経年劣化は進みます。製造から5年以上経っていれば、安全のために交換しましょう。
Q:点検で異常がなければ使い続けてもいい?
→ 一時的に問題がなくても、法令上は一定期間での交換が推奨されています。特に業務用施設では、期限を過ぎたものは交換対象となります。
Q:家庭用の小さな消火器でも交換が必要?
→ はい。スプレータイプでも中の薬剤が劣化します。おおむね3年が目安です。
まとめ|消火器の交換は「命を守る習慣」です
消火器は普段使うことのない「備え」ですが、その備えが正しく整っていないと、非常時に命を守ることができません。
- 製造から5年以上経っていないか?
- 錆びや破損が見られないか?
- 正しく設置されているか?
まずは、今ある消火器をチェックしてみてください。
わからないことがあれば、私たちのような消防設備の専門業者にご相談いただくのが確実です。
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私たちは、消防設備工事・点検を専門に行っており、消火器の設置・交換はもちろん、
消防法に基づく点検や、期限管理のアドバイスまで幅広く対応しています。
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